骨と筋肉をつなぐ腱や、腱が通っているトンネル(腱鞘)に炎症が起こると、指を動かした時に痛みが生じたり、引っかかるような動きにくさを感じたりします。出産期や更年期の女性に多く見られます。
指を動かすと痛みや動きにくさを感じたり、指の関節が腫れたりします。物をつかんだり握ったりすると、さらに痛みが強くなります。
手首の親指側にある腱鞘が炎症を起こし、手首が腫れて親指を伸ばしにくくなった症状を「ドケルバン病」といいます。
指が引っかかる・伸びにくいといった症状や、曲がった指を伸ばした時にカクンとなるばね現象が起こる症状を「ばね指」といいます。
指の使い過ぎによって腱と腱鞘の間で繰り返し摩擦が生じ、腱が傷ついたり腱鞘が分厚くなったりして炎症が起こります。指や手を多く使うような、日常動作(スマートフォンの操作など)やスポーツなど様々な原因が考えられます。
保存療法としては、局所の安静、外用薬の使用、消炎鎮痛薬の服用、ステロイド・局所麻酔薬の注射、物理療法などを行います。さらに当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションにより、指の動かし方の指導やストレッチなどを行うことで、痛みの軽減や柔軟性の向上を図ります。それでも痛みが強く再発を繰り返すようになると、手術療法が必要になる場合があります。その際は適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うことも可能です。
自己免疫疾患の一つで、関節に慢性的な炎症が起こり発症します。痛みや腫れが生じ、進行すると骨や軟骨が変形して日常生活に支障をきたす可能性があります。30~50代の女性に多くみられます。
多くの場合、指の関節が腫れたり手がこわばったりすることで気づきます。腫れや痛みをともった炎症や関節の変形が全身に広がっていく場合や、貧血や倦怠感などの症状が現れることもあります。
はっきりとした原因は特定されていませんが、免疫異常や遺伝的要因、細菌やウイルスの感染などが関係していると考えられています。
現在では様々な内服薬(抗リウマチ薬)や注射薬(生物学的製剤)を使って、関節の痛みや破壊の進行を穏やかにして寛解を目指します。寛解とは、症状が落ち着いているということです。炎症がない場合は、理学療法士による運動器リハビリテーションを処方することもあります。筋力や柔軟性向上のためのストレッチや運動のほか、痛みや変形が起きている関節に負担がかからないような動作指導などを行います。当院で対応が困難な強い症状がある場合は、早急に専門医をご紹介いたします。
ガングリオンとは、ゼリー状の物質が入っている良性のこぶ(腫瘤)のことをいい、多くの場合は手にできます。ほとんどは無症状ですが、痛みやしびれをともなう場合もあります。
多くは無症状ですが、神経の近くに腫瘤ができると痛みやしびれをともなう場合があります。腫瘤は少しずつ大きくなることもあり、痛みがなくても外見を気にされる方もいます。
はっきりとしたことは、まだわかっていません。関節を包む膜(関節包)の一部や、腱が通るトンネル(腱鞘)の一部が、なんらかの原因で袋状になり、そこへゼリー状の物質がたまって腫瘤になります。
腫瘤ができたら、医療機関を受診し診断を受けることが大切です。無症状なら、治療が不要な場合もあります。痛みがあったり腫瘤が大きくなったりすると、注射器でゼリー状の物質を吸い出します。再発を繰り返す場合は、手術が適応になることもあります。
手のひらの付け根にある骨と靭帯に囲まれた部分を手根管といい、この中に指を曲げるための腱と神経が通っています。なんらかの原因により、この手根管の中で神経が圧迫され手指のしびれや痛みが生じます。妊娠・出産期や更年期の女性に多くみられます。
手のひらから、親指、ひとさし指、中指、そして薬指の親指側半分にしびれが起こります。朝方、自転車や車の運転時、編物など手を使う時に症状が強くなり、手を振ると少し楽になるという特徴があります。薬指は親指側半分しかしびれず、手の甲や手首より手前(前腕側)がしびれることはないので、ある程度見当をつけることができます。症状が進むと、親指の付け根の筋肉が痩せてきたり親指の力が弱まるため、物を落としやすくなったり親指とひとさし指できれいな丸ができなくなったりします。
多くの場合が特発性で、原因不明とされています。手首の骨折などケガのほか、仕事やスポーツで手を使い過ぎる方や透析をしている方などにもみられます。また、腫瘍や腫瘤といった出来物の影響で発症する場合もあります。
保存療法として、消炎鎮痛剤やビタミンB12などの服用、塗り薬、運動や仕事の軽減、シーネ固定など局所の安静、腱鞘炎を治めるための手根管内腱鞘内注射などが行われます。難治性のものや母指球筋が痩せたもの、腫瘤があるものなどは手術が必要になります。その際は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うことも可能です。
ひとさし指から小指の第一関節が変形して、曲がったり赤く腫れたりします。痛みがともなう場合もあります。40代以降の女性に多くみられます。
指を動かしにくくなり、細かな作業が難しくなります。痛みをともなう場合は、手を使う日常生活に支障が出てきます。
骨や関節などの変形が起こりますが、関節リウマチとは異なります。現在はっきりとした原因はわかっていませんが、加齢、手指の使い過ぎ、女性ホルモンなどが関係しているといわれています。
局所の安静、消炎鎮痛薬の服用、ステロイドの注射、物理療法などを行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションにより、指の動かし方などの指導やストレッチを行うことで、柔軟性の向上を図ります。
首の骨と骨の間にある椎間板から、中の組織が飛び出すことで起こります。椎間板はクッションの役割をしていますが、本来の位置からずれると脊髄や神経根を圧迫して症状が現れます。
首・肩・腕に痛みやしびれなどが生じます。細かい手作業に支障が出たり、手に力が入りにくくなることもあります。
加齢による変化や、仕事・スポーツで首に強い力が加わることで発症します。また、スマホやパソコンを姿勢が悪い状態で長時間使用すると、椎間板から中の組織が飛び出す原因になることもあります。
保存療法と手術療法があります。保存療法では、消炎鎮痛薬の服用や物理療法などを行います。さらに当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。姿勢・動作の指導、筋力・柔軟性の向上を目的としたストレッチ・トレーニングにより、症状の軽減や再発予防を図ります。保存療法で症状が改善しない場合には、手術療法が必要になることもあります。その際は適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うことも可能です。
首の骨に形成された出っ張りが、神経根を圧迫し症状が現れます。
首・肩・腕に痛みが生じます。症状が進行すると、しびれや力の入りにくさが生じることもあります。
椎間板や背骨が、加齢によって変性したり、姿勢が悪い状態のまま動き続けることで変形すると、神経が刺激され発症します。
保存療法と手術療法があります。保存療法では、消炎鎮痛薬の服用や物理療法などを行います。頚椎カラーを処方することもあります。さらに当院では、運動器リハビリテーションによって、首に負担のかからない姿勢・動作指導を行い、症状の軽減・再発予防を図ります。保存療法を続けても症状の改善が見込めず、強い痛み・しびれで仕事や日常生活に支障をきたす場合には、手術の適応になることがあります。その際は適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うことも可能です。