重いものを持ったり腰をひねるような動作で起こる、急性で強い腰の痛みのことをいいます。腰椎捻挫(腰部捻挫)や急性腰痛症といわれることもあります。原因は様々であり、検査で正しい診断を受けることが大切です。
楽な姿勢を取ると痛みが引いていく場合もありますが、少しでも動くと腰に痛みを生じます。痛みの程度は様々ですが、痛みが強いと歩行も困難になります。安静にしていれば徐々に痛みが引いていきます。
腰に強く負担のかかる動作がきっかけになります。腰の筋肉や靭帯などが損傷を受けて発症することが多いです。腰椎ヘルニアや圧迫骨折などが原因になっている場合もあり、症状や原因に応じた処置が必要になります。
治療方法として、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の服用、コルセットなどの装具療法、物理療法を行います。症状や原因によっては、痛みの経過をみながら理学療法士による運動器リハビリテーションを行う場合もあります。筋力や柔軟性の向上に加え、腰に負担がかからない姿勢や動作の指導を行うことで、症状の軽減や再発予防を図ります。
いわゆる腰痛であり、ひどい場合はぎっくり腰になります。慢性的な腰の痛みを生じる場合もあり、原因は様々です。日常的な動作が、腰痛を引き起こすきっかけになることもあります。
日常的に腰へ負担のかかる姿勢や動きをしていたり、スポーツで腰に負荷がかかるなど原因は様々です。加齢による背骨などの変形により、二次的に起こる場合もあります。腰椎ヘルニアや圧迫骨折などが原因となっている場合は、症状や原因に応じた処置が必要になります。また、内科的な疾患が隠れていることもあります。
治療方法として、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の服用、コルセットなどの装具療法、物理療法を行います。症状や原因によっては、痛みの経過をみながら理学療法士による運動器リハビリテーションを行う場合もあります。筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニングに加え、腰に負担のかからない姿勢や動作の指導を行うことで、症状の軽減や再発予防を図ります。内科的な病気が疑われる場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。
腰の背骨が正常な位置からずれることで、神経が圧迫され腰や足にかけて痛みやしびれが出ます。歩いている時に痛みが生じ、長い距離を続けて歩くことが難しくなる場合もあります。40才以上の女性に多くみられます。
腰や足にかけて痛みやしびれ、違和感が生じます。安静にしていると比較的症状は出にくいですが、長時間歩いたり立って動くと痛みやしびれが強くなります。ひどくなると、足の麻痺や排尿障害が起こる場合もあります。
背骨や椎間板の変性により、背骨の位置がずれて脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで症状が出ます。背骨は前方にずれることが多いですが、後方にずれたり、背骨自体の変性が原因の場合もあります。よくずれる部位は、第4腰椎や第5腰椎です。
保存療法では、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の服用、コルセットなどの装具療法、物理療法を行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションを行い、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニングに加え、腰に負担のかからない姿勢や動作指導を行うことで、症状の軽減や再発予防を図ります。強い痛みやしびれで仕事や日常生活に支障をきたすなど手術療法が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。
スポーツでの負荷や腰をひねる動作が繰り返されることによって、腰の背骨の後側部分にひびが入り腰痛を引き起こします(腰の背骨の疲労骨折)。スポーツを行う10代以降の男性に多くみられます。
腰痛、お尻や太ももの痛み、足のしびれなどが生じます。腰を反らすと痛みが強くなり、前かがみになると痛みは軽くなります。初期治療をおろそかにすると、分離した骨がつかなくなる場合もあります。
多くは身体が柔軟な中学生~高校生の時に、スポーツでジャンプや腰をひねる動きを繰り返すことで、腰の背骨の後側部分にひびが入ったところが分離してしまいます。また腰椎分離症が原因で、腰椎すべり症を発症する場合もあります。
初期の治療がおろそかになると骨がつかなくなることがあるため、早めに適切な治療を行うことが望ましいです。保存療法は、コルセットなどの装具療法、消炎鎮痛薬の服用、物理療法を行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。筋力や柔軟性の向上、全身のバランスを整えることを目的としたストレッチや筋力増強トレーニングに加え、負担がかからないような動作指導をします。強い痛みやしびれがあり手術療法が必要な場合は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。
加齢により慢性の腰痛などが生じます。
加齢現象の一つであり特に症状が出ない場合も多いですが、これが原因で腰痛や足のしびれ、排尿障害などが現れることもあります。
加齢による腰の背骨、椎間板、その周囲の関節や靭帯などの組織に変性がおこり、神経が圧迫されることで神経症状が生じる場合があります。また、変形性の側弯症や神経が通っている脊柱管を圧迫する脊柱管狭窄症の原因になることもあります。
無症状の場合は特に治療の必要はありませんが、これが原因で腰痛などがある場合には、保存療法をします。消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の服用、コルセットなどの装具療法、物理療法を行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションで、ストレッチや筋力増強トレーニング、動作指導などを行います。症状が強く手術療法が検討される際は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。
腰の背骨のクッションである椎間板の一部が飛び出し神経を圧迫することで、腰痛や足に広がる痛みやしびれを引き起こします。20代~40代の比較的男性に多い疾患です。
腰やお尻にかけての痛み、足に広がる痛みやしびれを生じます。足に力が入りにくくなったり、感覚が鈍くなることもあります。前かがみになったり、重いものを持つと痛みが強くなります。歩いている時に痛みを避けるため、腰の辺りを横に曲げる人もいます。ひどい時には、排尿障害が起こる場合もあります。
腰に負担のかかる動きや姿勢によって椎間板へ負担が積み重なり、椎間板がつぶれて一部が飛び出し神経を圧迫します。加齢による椎間板の変性、喫煙、遺伝などが影響している場合もあります。
保存療法は、消炎鎮痛薬などの服用、装具療法(コルセット)、物理療法などを行います。さらに理学療法士による運動器リハビリテーションで、腰に負担がかからないような身体づくりや日常生活などにおける動作指導を行い、症状の改善を図ります。保存療法で症状の改善が見られない場合や、排尿障害など症状が強い場合など手術療法が検討される際は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。
腰の背骨がつぶれて骨折することで、腰に強い痛みが生じます。起き上がった時や寝返りをした時にも痛みを感じます。50代以降で骨粗鬆症の状態にある女性に多くみられます。
骨折した部位を中心に、腰痛が起こります。特に身体を動かすと痛みが強くなるので、腰に負担のかかる動きが難しくなります。一方で、軽い痛みしか出ない場合もあります。
交通事故や転落など腰の上下方向に非常に強い力が加わることで、腰の背骨がつぶれて骨折することがあります。また骨粗鬆症で背骨が弱くなっている場合には、日常生活の動作でつぶれて骨折してしまうこともあります。
保存療法では、コルセットなどの装具療法で安静にして骨がつくのを待ちます(つぶれた骨が元に戻るわけではありません)。また、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬の服用、物理療法なども行います。必要に応じて、理学療法士による運動器リハビリテーションを行い、骨折部位に負担がかからないようにお腹や足の筋肉を鍛えたり、日常生活の動作指導を行っていきます。症状が強い場合など手術療法が検討される際は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。