スポーツで起こりやすい症状には、様々な原因があります。
原因を特定し、個人個人の症状に合わせた適切な治療を行います。
また、使い過ぎ(オーバーユース)により症状がひどくならないためにも、違和感や痛みを感じたら早期に適切な治療を行うことが大切です。
運動器リハビリテーションでは、トレーニング方法のほか予防やケアの仕方、使用する靴や道具などのアドバイスもいたします。
ボールを投げすぎることで肘に痛みが出ます。
投球時や投球後、肘の動きが悪くなったり肘に痛みが生じたりします。安静にしていると痛みが消えることもありますが、重症化すると手術の適応となる場合があります。レントゲンなどで詳しく検査を行うことが大切です。
野球肘には、内側の障害と外側の障害があります。内側では腱や靭帯に引っ張られることで、腱・靭帯・軟骨が傷つき痛みが生じます。外側では骨同士がぶつかることで、骨・軟骨が傷つき痛みが生じます。
保存療法と手術療法があります。保存療法では、基本は投球を中止し安静にします。場合によってはギプスなどによる固定、物理療法なども行います。さらに当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。スポーツや日常生活の動作指導、筋力や柔軟性の向上を目的とした運動・ストレッチにより、症状の軽減、再発予防、パフォーマンスの向上を図ります。保存療法で症状が改善しない場合には、手術療法が必要になることもあります。その際は、適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うことも可能です。
テニスやゴルフをする人がなりやすいので「テニス肘」や「ゴルフ肘」などといわれますが、最近はパソコン操作で発症することも多いです。
物をつかんで持ち上げる動作、タオルを絞る動作、ドアノブやペットボトルのキャップをひねる動作などの際に、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じます。
テニスでは、おもにバックハンドの動きで肘の外側に痛みが出ます。一方、フォアハンドの動きで肘の内側に痛みが出る場合は、上腕骨内側上顆炎といいます。一般的には、加齢が原因であったり、手の使い過ぎで肘に負担がかかったりすることで発症します。
外用薬の使用、消炎鎮痛剤の服用、ステロイド・局所麻酔薬の注射、テニス肘用バンドの使用、物理療法などを行います。さらに当院では、理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。スポーツや日常生活の動作指導、筋力や柔軟性の向上を目的とした運動・ストレッチにより、症状の軽減、再発予防、パフォーマンスの向上を図ります。
足首の捻挫は、足を内側にひねって生じることが多いです。足関節の外側の靭帯が傷ついたり切れたりして、外くるぶしの前や下あたりに痛みや腫れを生じます。スポーツ障害でも多くみられる疾患です。
足関節の外側にある外くるぶしの前や下あたりに、痛みと腫れや熱感が生じます。受傷した所を押しても痛みます。安静時でも痛む場合があります。程度により、靭帯が軽く伸びた状態、靭帯の一部が切れた状態、靭帯が完全に切れた状態の3つに分けられます。また、骨折をともなうこともあります。
スポーツの時、歩いていてつまづいた時、階段や段差を踏みはずした時などに足首をひねってしまい、足の靭帯を損傷することがあります。足首には複数の靭帯がありますが、特に「前距腓靭帯」という外くるぶしの前にある靭帯を受傷することが多いです。
基本的には、安静、アイシング、圧迫(装具、弾性包帯、ギプスによる固定)、挙上(足を心臓より高くする)の処置を取ります。また症状に合わせて、消炎鎮痛薬の服用や物理療法も行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションで、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニング、日常生活やスポーツにおける動作指導などを行い、症状の改善と再発予防を図ります。完全に靭帯が切れて足首の不安定さが強い場合には、手術が必要になることがあります。その際は適切な医療機関へご紹介いたします。手術後は当院で運動器リハビリテーションを行うこともできます。
スポーツをしている時に筋肉に強い力が加わることで、筋肉や筋肉をつつむ膜・腱が部分的に損傷したり断裂することがあります。動くと痛みを感じ、負荷をかけると痛みは強くなります。
症状によってはスポーツの時だけでなく、歩いたり日常の動きでも強い痛みを生じる場合があります。押さえると痛く、ひどい場合には切れた部分を触ると凹んでいるのがわかります。特に太ももやふくらはぎが受傷しやすいです。
筋肉は強く収縮したり過度に伸ばされると耐え切れずに筋肉・筋膜・腱が部分的に切れてしまいます。完全に切れてしまった場合を「筋断裂」といいます。
重症度により、安静、ギプスなどによる固定、消炎鎮痛薬の服用をします。症状の経過に合わせて、当院では理学療法士による運動器リハビリテーションを行います。筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋量増強トレーニング、スポーツの動作指導などを行い、症状の改善と再発予防を図ります。
骨に繰り返し負荷がかかることで、骨にひびが入ったり、それが進行して骨折します。運動をしていると、受傷した部位に痛みが生じます。
明らかなケガの覚えがないにもかかわらず、運動時に痛みを感じます。安静時に痛みは軽くなりますが、症状が進むと運動後にも痛みが続く場合があります。症状が出やすい部位は、足の甲やすねの骨です。
一度に強い力がかかることで生じる通常の骨折とは違い、骨に繰り返し力が加わることで骨にひびが入ったりそれが進行して骨折する場合があります。スポーツの強度や動き方以外に、合わない靴などの要因が考えられます。特に激しいトレーニングを行っている学生や社会人に多く発症します。
まずは、安静にして骨折した部位に負担をかけないようにすることが大切です。また症状にあわせて、消炎鎮痛薬の服用、物理療法を行います。さらに当院では理学療法士による運動器リハビリテーションで、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニング、スポーツや日常生活における動作指導、適切な運動量や運動前後のケア方法の提案などを行い、症状の改善と再発予防を図ります。
すねの骨の内側に痛みが出ます。スポーツで足に負荷がかかり、すね(脛骨)の膜が引っ張られ炎症を起こします。
運動を始めると、脛骨の前方内側にズキズキとした痛みが起こります。運動を続けていると痛みは軽減しますが、症状がひどい場合には常に痛かったり、運動後の安静時にも痛む場合があります。腫れや押すと痛みがあり、さらに熱感をともなう場合もあります。
運動で足に負荷がかかり足の筋肉が繰り返し引っ張られることで、脛骨の骨膜も引っ張られて炎症を起こします。扁平足などの足の形、足を支える筋肉の筋力や柔軟性の低下、合わない靴、地面の硬い練習場など様々な要因が考えられます。
まずは、痛い部位に負荷がかからないように運動量を調整します。当院では症状に合わせて、消炎鎮痛薬の服用、物理療法を行います。さらに理学療法士による運動器リハビリテーションで、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニング、スポーツや日常生活における動作指導、適切な運動量や運動前後のケア方法の提案などを行い、症状の改善と再発予防を図ります。
運動(特にランニングやジャンプなど)で足を使いすぎると、膝の靭帯や腱が損傷したり靭帯と骨がこすれて炎症が起こり、痛みを生じます。
一定の距離を走った後などに膝の外側に痛みを感じますが、症状が進行すると常に痛みがあったり、運動後の安静時にも痛みが続く場合があります。おもに股関節から膝関節に渡ってある腸脛靭帯が炎症を起こし、膝の外側が痛みます(腸脛靭帯炎)。その他に、膝のお皿の骨の上下の腱が痛んだり(ジャンパー膝)、内側の腱付着部が痛む(鵞足炎)こともあります。
オーバーユースにより、膝周辺の靭帯や腱が損傷したり靭帯と骨がこすれて炎症を起こします。運動量や運動の負荷以外にも、筋力や柔軟性の低下、扁平足などの足の形、合わない靴、地面が硬すぎたり柔らかすぎる練習場など様々な要因が考えられます。
まずは痛む部位に負荷がかからないように、運動量の調整をして安静にします。当院では症状に合わせて、消炎鎮痛薬の服用や物理療法をします。さらに理学療法士による運動器リハビリテーションで、筋力や柔軟性の向上を目的としたストレッチや筋力増強トレーニング、スポーツや日常生活における動作指導、適切な運動量や運動前後のケア方法の提案などを行い、症状の改善と再発予防を図ります。